『国のために死ぬのはすばらしい?』
姉がLINEで知らせてくれた本を読みたくて、西原町立図書館に行きました。
なぜ西原かというと、いつも利用している浦添市立図書館にはその蔵書がなくて、県立図書館の
横断検索(一般利用者向け) - 沖縄県立図書館 (ufinity.jp) で検索し、近くて利用しやすい西原町に行ったわけです。
西原町民以外に貸し出しはできませんから、館内での利用です。
もちろん浦添市立図書館にリクエストして購入してもらうことはできるんですが、すぐに読みたかったので。
3時間弱でざーっと読みましたが、長年に亘るイスラエルとパレスチナの対立が、よく理解できました。中東戦争というとすごく遠い気がしますが、イスラエル兵士の受けた教育は戦前の日本とすごく似ていて、身近な問題として捉えることができたんです。
イスラエル軍、つまりユダヤの兵士は「捕虜にならずに最後まで戦え」と叩き込まれます。日本は「捕虜になるくらいなら自決せよ」。
「ユダヤ人は神に選ばれた民だ」という選民意識も、かつて「神の国」と信じていた軍国主義の日本と通じるところがありますよね。3時間程度の理解では詳しく書けないんですが、教育の怖さも再認識しました。
ユダヤ人は二千年にわたって迫害を受け続け、その辛い経験から「沈黙は美」という意識を持ちます。それも「沈黙は金」といわれていたかつての日本の美意識と似ています。
ただユダヤ人のそれは、ナチスによる迫害があまりに辛すぎて、自殺の理由を遺族は語りません。自殺だったことさえ言いません。著者の父も祖父も自殺だったのに、そのことを大人になってから、家族以外の人の口から知るのです。あまりに辛い。
その一方、自分たちがイスラエルを建国したことで、元々そこに住んでいたパレスチナ人(アラブ人)の領土を侵略することになったのに、彼らを差別してしまう。
ユダヤ人は教育熱心で学力が高くエリートして社会的地位が高く、民度が低いとしてパレスチナ人を軽蔑・差別。
そのことが、ユダヤ人に対するパレスチナ人の憎悪を増幅。
その負の連鎖が、報復として続いているわけです。
現在のパレスチナ侵攻の背景を少しでも理解する上で、とても有意義な本でした。
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